大著「1964年のジャイアント馬場」を語る。
柳澤健氏の「1964年のジャイアント馬場」を「再読」しての感想・随想。
以下、例によって駄文ツイート転載です。
>柳澤健著「1964年のジャイアント馬場」購入し再読。「再読」とあえて書くのは「週刊大衆」連載時にほとんど読んでるからですね(笑)。しかし「再読」であっても、2052円(税込)の価値は十分にある大著。600ページ近くの7割が64年以前のクラシックプロレスについて(B・ロジャース・続
>(の実像など)であり、おそらくは書評のほとんどもそちらに集中するであろう。もちろんゴージャス・ジョージからバディ・ロジャース、そしてリック・フレアーへと引き継がれる系譜は十分に魅力的だし(ニック・ボックウインクルもその系譜に入るか)、その中の重要人物であるロジャースに(続
>ついて多くを割いたこの書は、画期的なものであるといえる。…しかし僕にとっては残りの3割、つまり64年以後について語った部分も大いに興味深い。それはまさに同時代を生きたもののクロニクルでもあるから(同じ著者による「1976年のアントニオ猪木」とはそこが決定的に違う・続
>「1976年のアントニオ猪木」は「その後」については軽く流すだけだったので)。70〜90年代を語る部分ではまさに読む人が(その人が当時のプロレス事情について正しい記憶を持っていればだが)「うんうん、そうだったねー」と納得する内容なんである。とくにジャンボ鶴田を語る部分!w(続
>そもそも「覚醒」前の鶴田がいかに当時のファンから辛辣に批判されてたかを正しく語っている書物は今皆無なんである。あたかも「ジャンボは昔から凄かった(そして俺はそれを分かってた)」的な論説ばかりなので(苦笑)。少なくとも84年2月の対ニック戦(AWA奪取)までは鶴田の(続
>ファイトは批判されまくっていた(いやそれ以降でも天龍や三沢との抗争以前は評価されてたとはいいがたい)。そういういきさつを当時を知る人は思い出し、知らぬ人は正しく認識する意味でもこの書は読まれるべきであろう。・・・ただ一つ、柳澤氏に異を唱えるなら、459ページに「猪木が(続
>バディ・ロジャースを深く研究していたのは明白」とあるが、ビデオデッキなどが普及していなかった時代において、ほとんど接点のないロジャースのファイトを猪木が見ることはなかっただろうと。「今」だからこそロジャースの映像を見ることができるので。猪木が参考にしたのはロジャースでは(続
>なく、明らかにルー・テーズ。これはあまり言われないことですが「馬場よりも早く、猪木の方が先にテーズとシングルマッチを戦っている」のです。まさかと思われるかもですが、事実だから仕方ない(苦笑)。62年第4回ワールドリーグで、デビュー3年目の若手レスラーだった猪木はテーズと(続
>シングルを戦う恩恵にあずかっているのです(4分25秒フォール敗)。そして同じその頃には、馬場は渡米してて当時NWA王者だったロジャースに挑戦している…馬場はロジャースに、猪木はテーズに学んだ。そこに二人のプロレス観の根本の違いが生じる。瑕疵をほじくるようですが一応(^^;続
>ちなみに、同書では力道対木村戦にも言及してて、まあ体格と年齢から考えればそうだわなと(苦笑)。そしてあとがきでは、猪木&馬場に挑戦しようとした「あの人」とスパーしたというフッチーがこの本をつくるきっかけになったことが記されてて何たる因縁と(^^;)。ともあれ名著です(^^)
2000円余の価値はあることは保証いたします。
皆様、ぜひ手におとりあれ。
ではではまた。