ターザン山本「金権編集長ザンゲ録」について。
以下、ネタバレだらけなのでご注意下さい。
うーん、何というか・・・。
これを書いてしまえば、もう文筆家としてのターザン山本は死んだも同然なのではないか。
たぶん(ほとんど)嘘は書いてないのだろう。
「噂の真相」の匿名座談会に二宮清純・いしかわじゅん両氏と一緒に出てたこと。
佐山タイガーがスペースフライングタイガードロップを見せただけで、タニマチから永源通じて佐山に金が下りてたこと。
第二次Uの事前の営業でチケットがほとんど売れてたのをいいことに、「15分で完売」というアングルをつくって煽ったこと。
SWSを叩く際に馬場さんから「君もこれから大変だろうから」と50万円入りの茶封筒をもらったこと。
三沢が鶴田に勝つアングルを馬場さんに提案し、馬場と鶴田の不快を押し切って通させたこと。
SWSから手を引くため、田中社長が週プロにSの記事を出さないように頼み込んできて、結果毎月50万の金を1年間もらっていたこと。
藤原組解散時に田中社長が組長に5000万の手切れ金を渡し、それを仲介したターザンも30万のお車代をもらっていたこと。
大仁田対ポーゴを表紙にするために30万の裏金をFMWからもらっていたこと。
「夢の架け橋」での新日本メイン・全日本セミ(設立順のため)を納得してもらうため、新日本のギャラ2000万、全日本のギャラ3000万に設定したこと。
馬場元子氏に30万円から150万もの金をねだり、そのことごとくを馬券に費やしたこと・・・。
あまりにも赤裸々、しかしだからこそこれを書いてしまえば、ライターとしてのターザン山本は死んだも同然になるのではないか。
いわばこれこそターザンの遺言本なのだ。
そんなダメ人間ターザンに最後まで友情を示していたのが、これも究極のダメ人間剛竜馬であるところがなお哀しい。
ミスター珍がターザンに言った言葉があまりにも切ない。
「プロレスラーに本当の友達なんていないんだよ」
「それはどうしてですか」
「いくら仕事とはいえ、負け役を演じる方にはどうしても心のどこかに不満が残る。本気でやれば俺の方が強い、俺だってスターになれると思ってしまう。だから心底から仲間と心が通じ合うことなんてないんだよ」
レスラーだけでなく、全ての業界人に通じる言葉ではないだろうか。
遺言本を書いた、ターザンの成仏を祈る。
合掌。
でははまた。