アメリカンMMAに対する日本総合格闘技の敗北。
青木真也、ギルバート・メレンデスに完敗。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10434120
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10434428
まずは青木真也のツイートそして試合後のコメントから。
>応援ありがとうございました。弱いから負けた。それだけです。でも胸を張って日本に帰りたいと思う。
>とにかくすべての人に感謝の気持ちしかない。ありがとう。
http://sadironman.seesaa.net/article/146970445.html
http://www.dreamofficial.com/free/news/detail.php?id=1271576925
「完敗です。この試合の実現に尽力してくださったスコット・コーカーさん(CEO)、DREAMのスタッフに感謝の気持ちを述べたいと思います。今日、試合をして、防衛したギルバート・メレンデスにおめでとう、『コングラチュレーション』と言ってあげたいなと思います。日本のMMAは『負けた』と思われるかもしれないけど、まだまだ僕の気持ちは折れてないし、これからもう一回、挑戦できるように……日本に帰って精一杯の努力をしていきたいと思います。本当に今日はありがとうございました。」
「ケージだからとかリングだからとかいうことは特に関係なくて、メレンデス選手がとにかく強かった、と。初めてのケージはとても心地よい空間で、思いっきり楽しむことができました。とにかく、このケージに上がれたことに感謝したいです。」
「(DREAMでのリマッチは?)今、僕に『もう一回やらせてほしい』なんて言う権利はなくて、メレンデス選手に『もう一回、青木とやってもいい』と思ってもらえるくらいに、頑張って青木真也の価値を上げることが一番だと思ってます。今の状態で、もう一回やりたいなんて口が裂けても言えないです。」
「(グラウンドにいけなかったのは)タックルをうまく切られてしまって。相手のゲームだったと思います。」
「(日本のMMAを代表して闘うと言っていたが?)試合の結果がすべてだと思います」
ここまで潔く現状の至らなさを認めている漢に、もはや何の責める言葉もあるまい。
ただひたすら、お疲れさまとしか言いようがない。
だが、それとは別に、やはりある種の寂しさを感じざるを得ない。
今、我々の前で行われている戦いは日本流の「総合格闘技」からアメリカンMMAに変化していかざるを得なくなっているからだ。
チームにおいてゲームプランをきちんと立て、それを厳密に遂行していくことで勝利を目指す、それがアメリカンMMAの実際なのだろう。
かつて、一対一の決闘をイメージさせた日本流の総合格闘技からそれは徐々に、しかし確実に遠ざかりつつある。
減量の専門家がきちんとついて10数キロも体重を落とし、計量後一気にリカバリーしたフイジカルの怪物たちと戦わねばならないのだ。
これに対抗していくにはこちらもMMAにならざるを得ないのだ。
「もはや刀や槍の時代ではない」
鳥羽伏見の戦いの後の土方歳三の言葉がオーバーラップしてくるじゃないか。
今回、日本流の決闘のごとき総合格闘技の戦いぶりを一番示したのは皮肉にもアメリカ人のダン・ヘンダーソンだった(苦笑)。
しかし一度はダウンを奪って追い詰めた彼も、やがてはジェイク・シールズの緻密なゲームプランの前に飲み込まれていった・・・。
総合からMMAへの変化。
僕はそれもしかと見届けよう。
しかし、変化したその先にあるのは、もう僕が憧れた「決闘」の総合格闘技はないのかもしれない・・・。
僕はそうつぶやきながら、ただ流れゆく川の水面を見つめている。
そんな心境にさせられた、昨日の戦いでした。
ではではまた。