プライド事務所閉鎖について。

まあ今更っつー感じでもあるんですが。


http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/pride/headlines/20071004-00000024-spnavi-fight.html


PRIDE運営事務所が突如解散 事業所閉鎖、スタッフ全員解雇
 ドリームステージエンターテインメント(DSE)よりPRIDE事業を引き継いだ都内のPRIDE FCワールドワイド日本事務所が突如解散、都内の事務所は閉鎖されスタッフは同日付けで全員解雇となった。


 同社の元スタッフによると4日、ドリームステージエンターテインメントから転籍のかたちで新体制へ移行していたスタッフが召集され、国際電話で米国から会議に参加したジェイミー・ポラック社長よりスタッフに解雇が通知されたとのこと。



で、これについての論評を井田英登氏が。

http://allabout.co.jp/sports/k1/closeup/CU20071004B/index.htm

http://allabout.co.jp/sports/k1/closeup/CU20071004B/index2.htm

http://allabout.co.jp/sports/k1/closeup/CU20071004C/index.htm

http://allabout.co.jp/sports/k1/closeup/CU20071004C/index2.htm



《最大の戦犯は“売り抜け”を狙った榊原社長》

このドタバタ劇で損をした人間は、実に多い。

まず“夢の舞台”を突然奪われたファンが、最大の被害者であることは言うまでもない。

PRIDE崩壊の引き金を引いた形になったフジテレビも、結局有力なコンテンツを失い、放送局としての信頼に大きな傷を負ったわけで、明らかに被害者側に数えられるべきであろう。

また、今回の買収劇では悪者にされることの多いUFCZUFFA/ロレンツォ)も、よく考えてみれば決して得はしていない。確かに最大のライバルの殲滅には成功したというものの、あの当時、大会開催の度に赤字を作る状況のPRIDEは、 UFCが手を下すまでもなく崩壊は時間の問題であった。そしてその後の迷走ぶりをみるにつけ、彼らもまた、思惑が外れた部分が多かったにちがいない。

当時、PRIDEには彼らより先に、アメリカでのPRIDE開催を目論んで動いた元PRIDEアメリカ副社長エド・フィッシュマンという買収のライバルが有った。彼がPRIDEブランドを手にするよりは、先に買ってしまえという電撃的つば迫り合いとなり、UFCはやや拙速ともいえるようなスピードでPRIDEの営業権買い取りに走った。しかし、実際に手にしてみたPRIDEには、既に立て直すだけの内実が無かったのである。

その不可避であった死の運命を隠蔽し、あたかも命あるもののように見せかけて、PRIDEの看板に2006年後半〜2007前半にかけての約一年間「屍の舞踏」を演じさせーー最終的に、この売却で益を得た人間が存在する。会社が解散し、嫁に出した“愛娘の結婚生活”は始まりもしないうちに破綻しようと言うのに、その厖大な額の売却益で、あの三月会見の行われた真横の、IT長者が蝟集する高級住宅に住み、高級外車を乗り回しているという人物が。


先代の故・森下社長亡きあとの“Re-born”PRIDEで、憑かれたように「ファンの熱意を実現する」というキャッチフレーズを語り続けた;。しかし、反面、矛盾の多い言動や選手情報に疎いなど、表の言葉ほど“熱さ”の感じられない人でもあった。彼はPRIDEの“慈父”であったのか、それとも“ユダ”であったのか。
そう。DSE元社長・榊原信行氏、その人である。

彼は近々、今回得た巨額の売却益を元手に新たなスポーツ事業構築(プロサッカーチームの運営関係)を準備中という噂を聞く。PRIDEで蓄えたスポーツビジネスのノウハウを、別ジャンルでまた展開しようという訳らしい。PRIDE買収から半年、早くも悠々たる第二の人生のスタートを切っているあたり、ご近所に住む元ライブドア社長堀江貴文氏もまっ青な、いかにもバブル紳士らしい転身ぶりである。その意味で、彼の“売り抜けスキ―ム”はまんまと成功したことになる。

だが誰が何と言おうと、PRIDE消滅とも言われるこの混乱状況を生み出した最大の元凶は彼であると、僕は思う。

「PRIDE愛」を高々に叫び、“死の行軍”とは知らぬファンを威勢のいいプロパガンダで煽り、沈み行く巨大戦艦の甲板に立たせ続けたこの人は、明らかに“PRIDE消滅”という最悪の事態を導いたA級戦犯のはずである。

彼自身は、『PRIDE復活を祈り、娘を嫁に出した慈父』のイメージのまま退場してしまったが、DSE最後の一年間に彼が演じた悪あがきの数々が、その後のPRIDE復活の芽を摘んで行ったという例は少なくない。

そもそも、フジとのTV中継のディールを失った原因自体、彼と暴力団の黒い交際がやり玉に上げられたからなのだが、まず、その『無実』は一切証明されないままで終わっている事。これは決して小さくない。彼の交際が事実だったのか、あるいは週刊現代のでっちあげによる濡れ衣だったのかが明らかになっていれば、もっとPFWWは堂々と営業活動を展開できたはずだ。しかし、事の決着は未だにダークゾーンに放置されたままである。要するに、彼は敵前逃亡してしまっていて、新生PRIDEが絶対に必要としていた“潔白の証明”はなされていないのだ。

そんな調子では、もちろんTVディールを取り返せるわけもない。

また、彼の残した“無形資産”ともいうべき選手契約も、実はアナだらけだった。ーー例えば、2006年の年末前後から更新契約交渉に入ったエメリヤエンコ・ヒョードルの三試合契約など、確かにサインはされていたが、他団体への出場を禁止する項目は、ヒョードル側の拒否で外されている。実質、彼はPRIDEの専属契約選手ではなくなってしまっていたのだ。だから2007年のbodogロシア大会への参戦も実現したのだが、榊原社長はその実際の構造を知りながら、『そんな事はあり得ない』と否定し続けた。もちろん自分が水面下で進めていたPRIDE売り渡し工作への波及を恐れたためである。

またその契約金額も無茶苦茶で、一試合数億円(未確認情報では二億五千万)というまったく実効性の無い金額でサインされており、とてもではないが、その金額を出す能力は“死に体”のPRIDEにはない。元々、もう「ヒョードルをリングに上げるための契約」ではなくなってしまって、「PRIDE買収の付加価値を上げるためのカラ手形」を手に入れたかっただけなのだなという気がする。ただ、“PRIDEがまだ数十億の値段で買うべきゴージャスな商品”であるという事を粉飾するために、“チャンピオン”を空っぽな契約でキープしたのである。

そんな契約がホイホイ通ると思わされたヒョードルも、また一種の被害者であろう。3月のbodog参戦こそ、当時所属チームのレッドでビルとbodogの関係が緊密であったために、数千万の安いギャラで出場したものの、PRIDEからのオファーは当然途絶える。ではとばかりに、UFCと参戦交渉したものの、PRIDEの契約額ベースではUFCが首を縦に振るわけもない。結局、現在に至るまで再就職先の見つからない「流浪の皇帝」となってしまっているのである。



まあまだまだ続きますが、この辺で。
で、井田氏は「最終的にはUFC−JAPANの上陸」がやってくると見ているわけですが、僕に言わせればそれさえも甘いなあと。
ダナ・ホワイトは日本のマーケットなんかいらないと思ってるでしょう。
「日本の格闘技マーケットは世界最大のもの」なんて思ってるのは日本人だけであって。森下社長の怪死以来ブラックなものがつきまとっている(ジャパニーズ・ヤクザとかね・苦笑)日本のマーケットにリスクを冒してまで入ってくる気持ちはダナ・ホワイトには毛頭無いでしょう(あの頭だし。関係ないか・笑)。
スーパーボウルが日本人抜きで行われてるのと同じく、UFCもまたアメリカ市場、広く見ても欧米市場のみで展開されていくでしょうよ。
アメリカの属国として生き延びられればまだ御の字。実際には属国にも入れてもらえないのが実際なのでは。


ちなみにどこぞのボンクラが半年前にこの辺のことを日記に書いているわけですが(笑)。


http://d.hatena.ne.jp/fullkichi1964/20070423
http://d.hatena.ne.jp/fullkichi1964/20070424


すべては底が丸見えの底なし沼(苦笑)。
しかし底なし沼が干上がったら、後には何が残るんですかね?


「公園にいた赤鬼・青鬼はどこに行けばいいんですかい?」
「鬼がいなくなったら、“ごっこ”は終わりだ。家に帰るしかないんじゃないのかね」


I編集長がご存命ならそうおっしゃるんですかね(寂寥)。