あなたは10年前、IWGPヘビー級王座と三冠ヘビー級王座を同時に手に入れた選手を覚えているだろうか?

Q:10年前、IWGPヘビー級王座三冠ヘビー級王座を同時に手に入れた選手は?

A:小島聡


いや、事実なのだから仕方がないじゃないですか(苦笑)。


10年前のこの日、小島聡選手はたしかにIWGPヘビー級王座三冠ヘビー級王座を同時に手に入れているのです。


その事実を覚えてなくても、この試合の存在とその結果を覚えている人は結構いるのでは。


http://njpwworld.com/p/s_series_00285_1_1


2005年2月20日両国国技館での小島聡天山広吉、59分45秒天山の脱水症状KO負けで小島勝利。


この一戦にIWGPと三冠の両王座が賭けられていたことが忘れ去られていることそのものが問題なのですよ(苦笑)。


さて、この一戦の結末はガチのハプニングだったのでしょうか?


ヤフー知恵袋などでも「あれは正真正銘のハプニング」としてはいるのですが・・・。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1197792846


残念ながら、僕の見解はそうではない。


あれは最初からブックの中に組み入れられていたと見ます。


理由は、名レフリー和田京平にしてあまりにストップの判断が遅いこと、倒れてる天山に小島がこれ見よがしにエルボーを落としてること(本当に脱水症状で意識朦朧としてるなら、心臓の負担などから言ってそうそう攻撃を仕掛けられない…)、リングドクターが全く動いていないこと(!)などなどありますが・・・。


何より。


この一戦が時間切れ引き分けになった場合、満員の国技館がどれだけ脱水ならぬ脱力状態に陥るか、想像してみれば分かること。


だってテンコジ対決なのですよ?


袂を分かったとはいえ、かつての盟友対決が60分フルタイムでお互い王座の移動無し、なんてことになればまさに「やらせ」扱いされてしまうことは明白だったはずで・・・。


だからこその「残り15秒でのアクシデント決着」だったのだと。


お互いに傷をつけずそれでいて王座を移動させる、ブックメイカーが知恵を絞った結果がこれだったのだと僕は思います。


だからこそ、小島も「アクシデントによる王座奪取」だったにも関わらず、あまりに悠々と勝ち名乗りを挙げたのであって。


あれが本当に「アクシデントによる結末変更」だったなら、あんなに喜べないはず。


いやそもそも、試合が終わった時点で天山の容体を気遣って駆け寄るくらいはするはずで。


それがなかったということは「それも含んだブック」だったのだ、僕はそう思います。




これはそのブックを批判するための稿ではありません。


むしろその後の処置をこそ批判するための稿であって。


そもそも「小島のIWGP&三冠同時奪取」は小島が「今は全日本所属でありながら、新日本のファンにもなじみ深い選手」だからの企画だっただろうと。


でも、それを何ら生かせなかった。この一戦以降で。



単に小島のポジションを便利屋的扱いして立てたダブル戴冠(三冠を個別に考えれば四冠・苦笑)だったために、おそらくは両団体を股に掛けたスケジュールなど全く組めなかった。


それゆえに小島のIWGPはわずか3カ月で再び天山に奪われる(事実上の返還)ことになってしまった…。


それもこんな気の抜けた試合で。

http://www4.point.ne.jp/~kirisame/battle/namakansenki/2005_kansenki/20050514_sn/20050514_sn.html


せっかくダブル王者に仕立てられた小島も、これではやる気を失ったのでは?と。


見ていた観客はなおさらだったのでは。



「史上唯一・空前絶後IWGP&三冠同時王者」を作り出したにもかかわらず、この時期に起こった出来事のほとんどが忘れ去られている。


この時期、プロレスを守っていた印象があるのはGHC絶対王者小橋建太だったのであって。


(小橋の奮戦ぶりについては拙ブログhttp://d.hatena.ne.jp/fullkichi1964/20130504/p1をどうぞ)


その小橋には、そして当時の(あくまで当時の・苦笑)ノアフロントには、王座への誇りがあった。


そしてこの時期の新日本・全日本にはそれがなかった。


そう見なさざるを得ないのである。


レスラーを便利屋扱いし、王座を短期間預けて上手くいかないとすぐに放り出させる。


そんな有様に、誇りなど感じようがないではないか。



今の新日本の隆盛は、IWGPの王座に誇りを持ちその権威を高めようとしてきた棚橋・中邑らの努力によるところが大きいだろう。


そのありようを批判することは出来ても、その姿勢そのものは認めざるを得ない。


だからこそ花道を引き揚げるオカダカズチカに棚橋が投げかけた
「IWGPは遠いぞ!!」
の言葉に説得力があるのである。


しかし、いつか今の隆盛にブレーキがかかり、レスラーを便利屋のごとく扱う風潮が再び生まれたならば・・・。


小橋の奮闘によってPRIDEなど総合格闘技団体の猛攻に耐え得たノアの、今の悲惨な状況を思うべし。


それが新日本に起こりえないと誰が断言できるだろうか、と思ってしまうのである・・・。




老婆心ならぬ老爺心による乱筆乱文妄言の数々、お許しあれ(^^;)。。


ではではまた。