アンデウソン対ワイドマン初戦から1周年に思う・・・UFCに浮かんだ「男の星座」。

ワイドマン対リョート・マチダを前に、時代に背を向けた回顧的駄文(苦笑)。


以下、例によってツイートまとめ。


>明日はUFCにおいてクリス・ワイドマン対リョート・マチダの試合が行われる。しかし僕にとっては、「もうアンデウソン・シウバUFC初敗北・王座転落から1年が経過したのか」との思いの方が強いんである・・・・・・。ひと頃のアンデウソンはまさに神がかりだった。特に7度目の防衛戦で(続)


>わき腹を痛めた状態でチェール・ソネン相手に大苦戦、4Rまで圧倒されながら5R腕ひしぎ三角による大逆転勝利を演じた後のアンデウソンはまさに神の恩寵を一身に受けているかのようだった。その後2011・12年の2年間でアンデウソンは4戦をこなしているが、何とどれも1・2RでのKO勝ち(続


>3R以上まで持ち込ませてさえいないのである!それもビクトー・ベウフォート岡見勇信、チェール・ソネン(再戦)、ステファン・ボナーといった強豪相手ばかりにである。UFCタイトルマッチのレベルの高さから言ってやはり驚異的な出来事だろう(ボナー戦はタイトルマッチではないが・続)


> (一階級上の相手であった)、10連続防衛を成し遂げていたアンデウソンにはさらに大きな期待がかけられていた。ライトヘビー王者のジョン・ジョーンズ、そしてウエルター王者のGSPことジョルジュ・サンピエールとの階級越えドリームマッチである。ライトヘビーとウエルターの間に位置する(続


>ミドル級王者であるがゆえに、アンデウソンはまさにどちらの道をも選びえるキーパーソンだったのである。そしてもう一方ではボクシング4階級王者であったロイ・ジョーンズ・ジュニアとの対戦さえウワサされていた。ロイ・ジョーンズはそのためにこの後語る対クリス・ワイドマン戦を会場観戦(続


>していたくらいだったのである。上下両階級とのドリームマッチ、そして他競技のスーパースターとのメガマッチ。アンデウソンの選手生活はなお前途洋々に見えた・・・しかし、好事魔多し。昨年今月の対ワイドマン戦で、思いもかけぬ失態を演じることになる。ワイドマンに足関を仕掛けられた(続


>アンデウソンはかつて長南亮にやはり足関で不覚の一本負けを喫した時の悪夢が蘇ったのか、取り乱したように挑発を繰り返す。そんなアンデウソンから神の恩寵は急速に離れてしまった・・・無惨なまでの左フック直撃でのKO負け王座転落、そして再戦でも自ら放ったローキックをブロックされ(続


>左足を骨折しての惨敗・・・かつての寵児はもはや再起を危ぶまれるどん底まで突き落とされてしまったのである。そしてそのアンデウソン失墜は、階級隔てての対戦を熱望されていたGSPにも影響を与えたか。ウエルター級王座9回目の防衛戦をジョニー・ヘンドリックス相手に大苦戦しながら(続)


>しのぎ切ったGSPは気力の衰えを口にし、王座返上・第一線からの撤退を宣言したのである。2013年はUFCにとって、10回連続防衛ミドル級王者と9回連続防衛ウエルター級王者の両方を一気に失う大転換点となった・・・・・・今年に入ってUFCは異様なまでに北米以外の地域に(続)


>力を入れているように見える。UFCファイトパスの普及もそれだが、日本大会3度目にしてデイナ・ホワイトの表敬訪問&日本でのアジアTUF開催などもそれだ。それは明らかにアンデウソン&GSP喪失による北米PPV頭打ち状態の苦境を何とか打破しようという狙いがあるだろう。もちろん(続


>空前の不況にあえぐ日本格闘技界にとっては助け舟になりえるのは確かだが、一方でUFCの思うままに業界をかき乱される危険もはらんでいる。「日中韓の憎悪は、いい盛り上げ材料になる」などとのたまうデイナは本当に救世主たりえるのか。あたかも朝鮮戦争勃発時に日本を自由主義国の一員(続)


>として反共の盾にしようとしたマッカーサーそのものではないか。そして押し付けられたはずの憲法9条を逆手にとって出兵を拒否し、戦後日本の復興・繁栄を守った吉田茂のような智者は今の日本格闘技界に存在するのだろうか・・・・・・話がそれすぎた(苦笑)。ともあれ格闘のファンタジスタ(続


>たり得た「ザ・スパイダー」アンデウソン・シウバは今のUFCにはいない。そして復帰したとしても、かつての輝きはもう戻っては来ないだろう。彼との対戦を望まれていた「ザ・ラッシュ」ジョルジュ・サンピエールとともに「男の星座」の一つとなったのだ。そしてなお怪物性を維持し続ける(続)


ジョン・ジョーンズ(彼もまた前戦では終盤流す光景を見せてしまったがw)のような例外を除いて、UFCは英雄豪傑の時代から純粋なアスリートの時代へと突入していく。自分のような回顧的人間は置き去りにしていかれるべきなのだろう。「男の星座」を仰ぎながらそう思うのである。



ではではまた。