あまりにも日本的名勝負、青木対北岡。
皆さま、1日遅れましたが明けましておめでとうございます。
このブログもすっかり放置気味でいつ更新するか分からない状態ですが(苦笑)、ボチボチと超マイペースで続けますので、皆さま覚えておいてやってください(^^;)。
で、年末のUFC141&「元気ですか」。
アリスターの快勝、レスナーの引退、ネイト・ディアスとドナルド・セローンの名勝負、所英男を失神させたサーデュエフの投げの危険さ、ビビアーノの安定ぶり、「フェザーの川尻」の強さ、フジメグの秒殺、IGF外国人勢試合のしょうもなさ(苦笑)、鈴川・澤田を相手にしたキラー39の開眼、石井の動きをウオーミングアップにしての皇帝ヒョードルの年内圧勝とみどころはいくつもあったのですが。
中でも僕が心惹かれたのは、あまりにも日本的名勝負となった青木対北岡の一戦ですねえ。
以下はかなりにワタシの妄想が入った観戦記だと思ってやってください(笑)。
http://www.videozer.com/video/EzQZoX
切なさがいやが上にも高まるのは4ラウンドから。
青木のバックチョーク攻勢を荒い息遣いとともにしのぎ切った北岡。
その北岡に5ラウンド開始とともに青木が思わずグローブを合わせようとする。
そこで北岡が「ふざけんじゃねえ!!」と殴りかかるのだな。
いいねえ、思わず泣きそうになったよこっちは。
まだ勝負を捨ててないのだ北岡は。
さらにグラウンドに持ち込まれながらもこれをしのいで立ち上がり、バックを取る北岡。
ここで長く見てる人間は「危ない!」と思うはずだ。
2000年8月の桜庭対ヘンゾで、ヘンゾがバックを取ったのをサクがアームロックで切り返し、その腕をへし折ってしまった場面を思い浮かべてしまうから。
しかし青木はその挙に出ようとしない。
ここで青木があくまでチョークにこだわった理由が分かってくる。
北岡の腕や足を折りたくなかったのだ青木は。
そしてここまで圧倒的に試合を進めてきた青木は、北岡の突進をシンガポールで磨いてきただろうムエタイテクニックでしのごうとする。
しかし果敢に突進して何とかその距離を縮めようとする北岡。
そこにはかつて廣田戦で5R戦ってバテバテになり仕留められてしまった北岡の姿はすでにない。
この試合に向け、しっかりスタミナを作ってきただろう北岡。
5R後半でもバテてはいられないのだ。
そして終盤タックルに行った青木に、北岡は必死にヒザを打ち込もうとする。
しかし青木はヒタイでそれを受けることで決定打を許さない。
青木だって自演乙戦の屈辱を忘れてはいないのだ。
北岡は廣田戦を、青木は自演乙戦をしっかりその糧にしていた。
ゴングとともに勝利を確信し、両手を挙げて離れる青木。
北岡が呆然とした目で、その背中を見送るのだ。
(遠い、遠い・・・・)と。
いやあ年の最後に、実にセンチメンタルな試合を見せてもらったなあと。
アメリカにエドガー対メイナード、ダンヘン対ショーグンがあれば、
日本には青木対北岡あり。
エド×メイ、ダン×ショーにはこの上ないレベルの高さ、壮絶さがあるけど、
青木対北岡のような切なさは感じなかった。
まさに日本的名勝負。
地上波観てた人間に「ざまあ見ろ、これ見逃しやがって!」と言える名勝負だと思いますよ、ヒョードル対石井と並べて(^^)。
ではではまたー。
《追記》
今までミルホンネットさんに書かせていただいた原稿を一本にまとめてもらいました。
2011年のまとめとして、無料ですのでよろしくひとつ(^^)。
http://miruhon.net/index.php?main_page=product_info&products_id=608
無料 『格闘アームチェア探偵団』古吉進一郎(ふるきち)