伝説の区切りに向かい合った者、伝説を背負いながら生き続ける者、そして伝説を残して立ち去った者。

長谷川、まさかのTKO負け…11度目の防衛は失敗

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100430-00000526-sanspo-fight

ボクシング長谷川穂積、敗れましたね。
4ラウンド最後の10秒で集中力を欠いた瞬間を狙い撃ちされた観も。
スタンディングダウンだったので、倒れていれば回復できたのではないか、と見る人もいるでしょうが、やはりそれは「たら、れば」論で。僕はやはりあそこで倒れていても結果は同じだったと思います。
集中力を欠いた穂積を責めるよりも、そこを突いたモンティエルを誉めるべきなのでしょう。


これで彼がグローブを置いても、バンタムで再戦しても、スーパーバンタムやフェザーに転じても、それは彼自身が自由に選び取るべきものであって。そこで成功しようが挫折しようが、彼の10回防衛という記録と数々のKO劇の記憶は消えるものではない。
ゆっくりと休んで、今後を決めてほしいと思います。




さて、一方、本日は総合格闘技ファンならば忘れ得ないあの伝説的一戦から10年目の日であります。


桜庭和志ホイス・グレイシー第一戦」


6R90分に及ぶ激闘の末、決着を見たあの一戦は20世紀末の総合格闘技の盛り上がりのピークともいうべき凄まじい試合でありました。


ホイラー、ホイス、ヘンゾ、ハイアンと立て続けにグレイシー一族を破ったことで、否応なしに桜庭はある種の伝説を背負いながら、21世紀の戦いへ次々と臨んでいくことになりました。


まあネット界には一部に強烈なアンチ桜庭がおられて(苦笑)、プライドを始めとする主催者に抱え込まれているがごとき桜庭に対して、「保身猿」と言ってはばからない人もおられるわけですが(^^;)。
しかしまあ、やはりあの伝説を背負いながら、いかに桜庭が過酷な戦いを続けているかを思えばやはりそんなことは言えないのじゃないかと。
ホイス戦直後から桜庭がボコボコにされた相手を並べてみよう。


イゴール・ボブチャンチン


ヴァンダレイ・シウバ


ヴァンダレイ・シウバ(2回目)


ミルコ・クロコップ


ニーノ・エルヴィス・シェンブリ(バッティング反則の後)


ヴァンダレイ・シウバ(3回目!)


アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ


ヒカルド・アローナ


ケスタティス・スミルノヴァス


秋山成勲(言わずと知れた大晦日事件・苦笑)


メルヴィン・マヌーフ


田村潔司(骨折復帰直後)


セレグ・弁慶・ガレシック


・・・・


これだけボロボロにされながら戦い続けた人間に対して、やはり「保身猿」なんて言葉は言えないのではないか。
正直、よく生きててくれたなあと(苦笑)。
僕はもう、桜庭がいつリングを降りてくれても文句は言うまい。
先だってリングを降りた武蔵よりも吉田よりももちろんコヒや瀧本よりも(苦笑)、はるかに体をボロボロにして戦い続けたのがサクなのだから。
もうサクはレジェンド枠でゆったり現役を続けていくのがいいのではないかと思う。次の相手は金ちゃんで良いのではないか、泰泳でもボヤキングでもいいから(笑)。
未だにサクの次代を背負えない若手たちにこそ問題があるのであって。
過酷な戦いにサクを担ぎ出して、伝説に殉じさせるのはやめていただきたいのですよ。先日の弁慶戦などそうなる可能性もあったのだから。




最後に、伝説の節目にたたずむ者、伝説を背負いながら生きていく者、そしてこれから伝説を作り出していくべき者たちに、
昨年の明日5月2日、その伝説の衣を最後までまとったまま去っていったあの人の曲を贈りたい。


ジャンルは違えども、彼ほど幻想をまといながら世間と戦い続けてきた人を、他に僕は知らない。
もう一度その伝説を噛みしめながら、この代表曲を聴きたい。


明日で一周忌です。合掌。


忌野清志郎「スローバラード」

http://www.youtube.com/watch?v=qVbv0gEO70s


ではではまた。