【ネタバレ注意】幻想の崩壊と、幻想が保たれていた時代。

昨日の五味対ケンフロの試合に関しては、もはや何も言いたくないくらいの気持ちなのだけど。

http://www.mma-core.com/videos/_Kenny_Florian_vs_Takanori_Gomi_UFC_Fight_Night_21?vid=10010137&tid=100


とにかく1・2ラウンドはジャブで削って削って、3ラウンド五味が距離を読み出したらすぐさまタックル行ってグラウンドでケリをつけるというケンフロの戦略がもろに当たってしまったというか・・・。


五味はなぜああもタックルに無策なのか。
レスリングやってたとは思えないくらいあっさりとテイクダウン取られてしまう。
その後、ケンフロは安心して上取ってるんですよねえ。
五味に下からの攻めがないこと分かってるから。
五味は五味で顔をそむけて脱出することだけを考えている。
それしかないだけに、哀しい。


決着後、ケンフロが周囲に礼をした後、五味に何かささやいてるんですよね。
実際には何をささやいたか知らないけど、僕には、
「グッパイ、ゴミ」
に見えた。
今まで偶像として追いかけてきた五味を、研究し尽くしてきた五味を、
ものの見事に打ち破って、自分の中にいた偶像に決別する言葉。
それをただ呆然と見送ることしか出来ない五味。


哀しすぎる・・・。




さて今日は、何の日か。


そう15年前、週刊プロレス主催でプロレス13団体を集めて東京ドームで興行を打つという暴挙「夢の架け橋」が行われた日なのですね(笑)。


95年当時と言えば、僕はバーリトゥードに代表されるような格闘技に行くべきか従来のプロレスを見続けていくかちょうど五分五分で悩んでいた時代であって(96年のリングス有明大会でヤマヨシがモラエスに完敗するのを見て、「こりゃあかん」と急速に格闘技に寄っていくことになります。2000年の頃が一番従来のプロレスに嫌気がさしていた時代ですかねえ・・・格闘技99対プロレス1くらいですか・笑。今は格闘技90対プロレス10くらいですけど)。


しかしまあこの「夢の架け橋」が行われたときは、「ああ、これは確かに格闘技にはない夢だよなあ・・・・」と素直に思えたものですよ。


http://www4.point.ne.jp/~kirisame/battle/namakansenki/1995_kansenki/19950402_baseball_magazine.html


ベースボールマガジン社「夢の懸け橋〜憧夢春爛漫」
1995(平成7)年4月2日 東京ドーム
観衆6万人(主催者発表


*全試合30分1本勝負


1.JWP女子プロレスプロレスの神様ありがとう」8人タッグマッチ
○関西、福岡、C.奥津、能智(ダイハード関西、17:29)尾崎、C.鈴木、矢樹、D.雅美●


2.LLPW「レディース・アルティメット・ファイト」
神取忍三角絞め、1:12)ハーレー斉藤
*レフェリー角田信朗、準VTルール(註1)。


3.全日本女子プロレス「全女GREATEST4★プレミアム」
アジャ・コング井上京子(体固め、17:40)ブリザードYuki豊田真奈美
北斗晶試合後に乱入。


4.剛軍団「エイリアン・デスマッチ」
剛竜馬(片エビ固め、15:11)宇宙魔神シルバー?●
*エイリアン・デスマッチ全宇宙公認統一ルール(註2)。


5.IWA JAPAN
バーブワイヤーボード・スーパースクランブル・バンクハウス6人タッグデスマッチ」
○中牧昭二、T.ファンク、L.フェイス
(横入り式エビ固め、18:28)C.ジャック、ヘッドハンターA、B●


6.パンクラスシングルマッチ
鈴木みのる(ヒールホールド、1:50)C.デヴィーバー●
パンクラスルール(註3)。


7.藤原組「藤原組ライバル対決」
石川雄規藤原喜明三角絞め、16:30)ドン・荒川、カール・グレコ
*通常プロレスルール。


8.みちのくプロレス「みちのく・ザ・ベスト'95」
○S.デルフィン、愚乱・浪花、T.みちのく
(デルフィン・クラッチ、22:25)G.サスケ、SATO、獅龍●


9.リングス「クリス・ドールマン日本引退試合第1弾」
前田日明(ヒールホールド、5:26)クリス・ドールマン
*リングスルール(註4)。


10.UWFインターナショナルスペシャル・シックスメン・バウト」
○高田、垣原、B.スコット
(腕ひしぎ逆十字固め、15:17)G.オブライト、山崎、J.ライディック●
UWFインターナショナル・ダブルバウトルールに準じる(註5)。


大木金太郎引退セレモニー


11.FMW「忍邪憧夢絵巻〜究極邪道対決・最終章」
ノーロープ有刺鉄線電流爆破マッチ
グレート・ニタ(体固め、13:59)ポーゴ大王●
*レフトスタンド前に設置された特設リングで試合。


12.全日本プロレス「4・2ドーム特別試合」
△三沢、小橋健、S.ハンセン(時間切れ引き分け)川田、田上、J.エース△


13.新日本プロレス「NEW JAPAN CLIMAX」
○橋本(体固め、15:56)蝶野●
*田中リングアナは間違いなく「60分1本勝負」とコールした。まあ今となってはどうでもいいですが。


当時、真っ先に参加表明したのがターザンと犬猿の仲だったリングスだったというのにちょっとジンと来るものがありました。一方、参加しなかったのが天龍率いるWARだったというのにも納得(逆だったら面白くも何ともない・笑)



五味対ケンフロのようなリアルを僕らは手に入れた。
しかし一方でこういう幻想を僕らは失ってしまったのではないか。
それがいいことだったのかどうかというのは、僕は今判断しかねる気持ちでいます。


少なくともここに上がっている選手のうち、剛・オブライト・三沢・橋本はすでにこの世にいません・・・(あ、大木さんもか)。


彼ら、そしてすでに過ぎ去ってしまった夢に対して、合掌。



ではではまた・・・。