青木対メレンデスとあの試合に見る異文化の衝突、もしくは温存された幻想・温存されない幻想。

さていよいよ迫って参りました4月17日、日本時間で4月18日に行われる青木真也ギルバート・メレンデス


この日本時間で4月18日というのは25年前に何の試合が行われた日か、覚えていらっしゃるでしょうか?


そう! アントニオ猪木ブルーザー・ブロディが初対決した日なんですねえ。1985年4月18日。


いやあ当時は興奮したもんですよお、試合前数日は。
だって、アントニオ猪木ブルーザー・ブロディが戦うんだぜ!!(笑)


試合そのものも、まあ両者リングアウトという結末はすでに第一次Uファンになりつつあった僕にとっては不満でしたが(苦笑)、試合前のブロディによる猪木控室襲撃から試合の展開にかけて実に興奮させてくれるものでしたよ。ブロディが試合中にヒザをカミソリで切って血出してたことなんざどうでもいい(笑)。


で、その猪木対ブロディと青木対メレンデスを重ね合わせるといっても、別にメレンデスが試合前にチェーンで青木を襲撃して、負傷した青木が「う〜、何てことするんだ、あの野郎!」とか叫ぶといいとかそういうことを言うわけではありません(笑)。


むしろ25年という歳月による重大な変化をこそ注目したい。


猪木とブロディの対決は以後6度を数えましたが、ついにお互いの幻想を壊すことにはなりませんでした。


しかし今回の青木対メレンデスは重大な幻想の崩壊につながりかねない。


むろん青木真也はリアルファイトによって今日の地位を築いてきた人間であり、一見「幻想」などというものから遠い人間に見える。


しかし、彼の「ライト級世界2位」は本当に幻想ではないのか。


彼は実は世界3位や4位と目されているケニー・フロリアンやフランク・エドガー(今は彼が1位なのかもですが)と戦って「2位」という地位を得たわけではないのです。


7位や8位に位置するハンセンやアルバレスに快勝したからこそ「ペン以外には勝てるだろう」と思われて2位という評価を得ているわけです。


その幻想が、ハンセンやアルバレスと同格のメレンデスと、しかしアウェーで戦うことによって崩壊するかも知れない。


実に恐ろしい戦いを我々は目の辺りにしようとしているわけです。



だからこそ面白い。


だからこそゾクゾクする。



幻想を温存した猪木対ブロディとは違う、興奮とスリルと恐怖を味わいながら、この一戦を迎えたいと思います。



青木ファンもアンチ青木も(笑)、この一戦に注目せよ。



「刺しに行く」と宣言した青木真也が、プエルトリコのブロディのごとく刺されるかも知れない。



その危険を知りながら、あえて青木は金網に入る。


ブロディがかつて名を上げたという金網の中に。



格闘技ファン、刮目(かつもく)せよ。



ではではまた。