改めて、シュルト対バダハリを解析する。

一昨日のK-1GP決勝シュルト対バダハリを再見していろいろなものが見えてきた。


http://www.youtube.com/watch?v=5ZTwoq80v1k&feature=related


開始1分手前、バダ・ハリが前回の対戦のごとく一気にラッシュをかけてそれが途切れたところで、三宅アナが、


「まだセーム・シュルトは自分の攻撃が出来ていません!!」


と言ったその前後から実はセーム・シュルトの本格的そして頭脳的攻勢が始まるのである。




まず、前回の対戦では使わなかった空手式の中段蹴りと前蹴りの中間の角度から入るいわゆる三日月蹴り。


実は今回のバンナ戦でもレミー戦でもこれでシュルトはペースをつかんでいるのである。


三日月蹴りから左ストレートを食らい、バダは通常のムエタイではありえない角度からの打撃(ムエタイのミドルではわき腹の下二本の肋骨を狙うが、三日月蹴りはその角度からみぞおちを狙う)に面食らい、思わず下がってしまう。
そこで自分の間合いをつかんだシュルトは楽々と自分の得意の左ストレートを叩き込むことが出来たのである。これが一度目のダウン。


そして立ち上がりはしたが、左ストレートへの恐怖感の生まれたバダに、左の刻み突きでさらにプレッシャーをかけていく。
そうしてストレート系の打撃に意識を集中させておいて、横からの左ハイ!!予想外の攻撃を受けたバダはただでさえその前のストレートで脳が揺れてるとこだから余計にダメージが積み重なってしまう。
正直、それほどスピードのなかったハイだか、バダをパニックにさせるのには十分だったはずだ。
この正面→横から(ストレート→ハイキック)という攻撃の使い分けがシュルトは実に心憎いほど上手い!!


すでにパニックになったバダは必死にとびかかってシュルトとの相打ちシーンを生むが、この時点でもうバダは打つ手が思いつかなかったはずだ。
最後「立て直して!」という紀香の叫びも空しく、シュルトは最後も三日月蹴り→左ストレートの連携で、バダを葬ってしまう・・・。


一茂が必死に「紙一重」とか言ってたけど、冗談ではない。シュルトは三日月蹴りからの連携という新しい武器を身につける準備面においても、それを生かす頭脳的プレーにおいても、バダを圧倒的に上回っていたのだ。
それに気がつかない限り、来年のGPもこの巨神兵に名をなさしめてしまうだろう、と僕は思う。



と、あたかも引き立て役のごとくバダを書いてしまいましたが、いや僕はかなりに今回バダに感情移入して見れましたよ(笑)。


何といっても去年のGP決勝での暴挙から改心(?)して今回の大会を盛り上げたとこはなかなか心憎いではありませんか!!


まるで問題行動を起こした生徒が、必死に部活復帰して活躍したようなもんで(笑)。


スラムダンク風にいえば、こうだな。


「ダニ川先生・・・・K−1がしたいです」
「・・・ダニ川ってゆーな(怒)」


最後はやっぱおちゃらけてしまいました、スミマセン(^^;)。


ではではまたー。