石井慧は果たして成功するか(もしくはさせてもらえるか)。

今さらながらこの問題を考えてみたい。


もちろん資質の問題(柔道時代につけてしまった筋量が多すぎてなかなかライトヘビー(93キロ以下)まで落とせない点、ヘビーでやるにはリーチが短く、打撃勝負でやるにはヒョードル並みの踏み込みの速さが必要になる点)などいろいろあるのだが。


ここではUFCダナ・ホワイトとの関係性について考えてみたい。
つまりダナ・ホワイトが石井を必要とするかどうかの問題なのだ。
石井を必要とするかどうかはすなわち日本を必要とするかどうかの問題でもある。
日本市場が必要ないのならば、いきなりデビューとともに強豪にぶち当てて「柔道金メダリストでも今のMMAファイターには通用しなかった」という事実の方がダナにとってはメリットになる気がするからだ。


しかし一方では日本市場がもし必要ならば石井は大きな手駒になるはずだ。
それこそ絶望的な不況にあえぐ韓国市場とは違い(秋山のUFCデビューがまとまらないのは実にここに理由がある気がする・笑)、大晦日に10%以上の視聴率をとる日本格闘界市場はまだまだ大きなメリットをUFCに与えるだろうから。


そこで石井をTUFにも出し(石井の英語力に多少問題が出てきそうだが・苦笑)、それをWOWOWでのUFC中継にも流し、日本大会の下地を作ろうとするか?
要は石井はUFCのアジア開拓の先兵役としてこそ意義を発揮するのだ。


ここで面白い図式を上げてみよう。


UFC=アメリ
PRIDE=戦前日本
石井慧=戦後日本


つまり戦前日本を完膚無きまでに叩きのめしたアメリカが、今度は戦後日本を手駒として自国の戦略に利用しようとする。
その図式がまさにUFC、PRIDE、石井慧の間にも成立するのである(苦笑)。
そして戦後日本がアメリカと旧ソ連の冷戦の間で生き延び発展しようとしたように、
石井もまたUFCとその仮想敵国との戦いの間で生き延びようとしている。


その仮想敵国とはどこか?
他ならぬアフリクションであろう。
アフリクションアメリカじゃないかって?
さにあらず。
その団体の中心人物を見よ。
おお、他ならぬあのロシアン・ラスト・エンペラーではないか(大笑)。


石井慧はまさに戦後日本のごとくUFC(アメリカ)とアフリクションソ連)の冷戦の中を生き抜いていくだろう。
やがてバブル繁栄のごとく、(たとえ一時的にでも)「石井アズナンバーワン」の日々がやってくるのか? 
それを注視していきたいものである。妄言乱文多謝。