ふるきち、「崖の上のポニョ」をひもとく。

と大きく出てみましたが(笑)。


ようやく昨日見てきましたよー。
娘と、と言いたいとこですが、うちの娘・四歳は二時間も暗闇の中に入れたら飛び出してしまいかねんのでパス!!
後でDVD買ってやるからな―。フジモト以下の最低オヤジを許しておくれ(苦笑)。
ちなみに映画館はさすがにガラガラでした(笑)。


見た感じは・・・うん、これは「となりのトトロ」の20年を経た続編なのですね、きっと。
宗介の母親・リサが「♪わたしはーげんきー」のあの歌を歌うのが何よりの証拠。リサこそはサツキやメイの20年後なのですよ、間違いなく。
半魚人段階のポニョがトトロとおんなじ目をしてるのにも注目。
「トトロ」が山編なら「ポニョ」が海編という感じ。
ただ決定的に違うのは、トトロとサツキ&メイは最終的に離れ離れになるのですが、ポニョは人間になることで共生しようとする。そこが決定的な違い。
それが実は「崖の上のポニョ」という題名にも関わってる。


実は本編でポニョが崖の上、つまり宗介の家に一緒にいるのはごくわずかの時間でしかない。後は金魚として海の中にいたり、人間化して海の上走ってたり、宗介とともにリサを探してたり。
じゃあなぜ、題名が「崖の上のポニョ」なのか。
それはつまり・・・・・。
(以下はラストのネタばれになってしまいますので、未見の方は読まない方がいいかも^^;)。























崖の上のポニョ」とは、映画のラストで宗介とつながった後のポニョのことなのですよ。
一緒に「崖の上の」あの家で共生する「それから」のポニョなのですよ。
そうしてみると、主人公の名前が「宗介」なのは非常に大きな意味をもってくる。
「宗介」とは夏目漱石前期三部作の最終作「門」において崖の下に暮らす(!)主人公の名前ですから。
夏目漱石の前期三部作は「三四郎」「それから」「門」の三作から成り立っており、この順番が逆になれば・・・。
まさに「門」の主人公と同じ名前の宗介と「それから」を生きるポニョ、この二人にもやがては「三四郎」のような青春の煩悶が訪れるのかもしれない。
それでも大丈夫、今のこの気持を大事にすれば。
そう励まして背中を押すような作品、それがまさに「崖の上のポニョ」だったのではないでしょうか。


しかし、ポニョが半魚人化する場面で、後ろの席のガキが「こわいよー」と泣き出したのには思わず笑ってしまいました。
そりゃ怖いわな(^^;;;)。


ちなみにうちの娘は前述のごとく四歳。宗介と同じ五歳になったらDVDを買ってやろう。そう心に決めるふるきちなのでした。




というわけで、今は故・山本夏彦氏の世間知に満ちた著作を読んで精神のバランスをとっております(笑)。
子供らしいピュアさも疲れますもの、実際(^^;)。

ではではまたー。