今頃「やれんのか」観戦記。

格闘技好きからは「今頃かよ」と、
興味のない方からは「またかよ」と、
両方から叩かれてしまいそうですが(苦笑)、まあご容赦下さい(^^;)。


昨年大晦日の「やれんのか!」、友人に頼んで入手したビデオでようやく観戦しました。


えー、最初に言っておくと、僕は「続きがあると分かっておきながら、最終回とか銘打ってチケット売る」やり方は嫌いです(笑)。
それを前提にしても、見て良かった、うん。


第1試合 5分2R
×ローマン・ゼンツォフ(ロシア/レッドデビル/104.3kg)
○マイク・ルソー(米国/チーム・エクストリーム/112.8kg)
1R 2'58" 前方裸絞


これはゼンツォフが情けなさ過ぎるなあ。「オファーが1週間前で準備期間がなかった」とか言ってるみたいだけど、後に出てくるチョン・ブギョンが見事な試合してるだけに言い訳にならんでしょう。
初登場ルソー見事。彼こそ続きがないと困るでしょうね(笑)。



第2試合 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
川尻達也(T-BLOOD/70.8kg)
×ルイス・アゼレード(ブラジル/シュートボクセ・アカデミー/70.9kg)
判定3-0 (三宅=川尻/足立=川尻/ヒューム=川尻)


川尻やはり試合から遠ざかってたぶんカンが鈍ったか、詰めが甘かったですね。アゼレードも不調気味でしたが、それでもバックを取ったりして見せ場はないわけじゃなかったです。



第3試合 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
○瀧本 誠(吉田道場/81.9kg)
×ムリーロ・ブスタマンチ(ブラジル/ブラジリアン・トップチーム/83.0kg)
判定2-1 (大橋=瀧本/ヒューム=ブスタマンチ/小林=瀧本)


1ラウンドでブスタ先生がポジション取りまくってるのを見て、「これでどうして判定負けなんや! ヤオ判定か!!」と怒りまくってました(笑)。しかし2ラウンドで瀧本がパンチでダウン奪い形勢逆転、あわや試合が止まるかと思えるほどのパウンドの雨あられで圧倒。ブスタ先生も終盤マウントを取り返したものの時すでに遅し。結局判定は2−1で瀧本に。
ブスタ先生も納得した表情だったので文句はないですが、やはりこういうときに問題になるのは1ラウンドと2ラウンドの比重をどうとるかですね。1ラウンドが10分で2ラウンドが5分なのに、同じ比重になったり2ラウンドの方が重く扱われるのはいかがなものかと。1ラウンド前半・1ラウンド後半・2ラウンドの3つに分けてポイントつけていくのならまだ分かるんですが。この辺りはもっと真剣に論議されるべきでしょうね。



第4試合 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
石田光洋(T-BLOOD/70.1kg)
×ギルバート・メレンデス(米国/ジェイク・シールズ・ファイティング・チーム/ストライクフォース・ライト級(70kg)王者/70.3kg)
判定3-0 (都鳥=石田/三宅=石田/小林=石田)


とにかくこの興行で最も感動的だったのは「1ラウンド目の石田光洋」でした。とにかくタックルで食らいつく食らいつく!! 「ダイナモ・タックラー」の面目躍如!! 途中メレンデスに頭からたたきつけられながらもまったくひるむことなく圧倒!! 
2ラウンド目に入ってからはやや失速して下になる場面が多かったですが、それでも下からのアームバーでメレに苦痛の表情を浮かばせるなどして、決定打を与えさせず、結局は判定勝利。
最後のマイクも真摯な感じが出てて良かった。三崎の長々説教よりよほど心に染みいりました(笑)。



第5試合 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
三崎和雄GRABAKA/PRIDEウェルター級(83kg)GP '06優勝/84.9kg)
×秋山成勲(フリー/HERO'Sライトヘビー級(85kg)トーナメント'06優勝/84.9kg)
1R 8'12" KO (左フック→頭部へのキック)


で、問題の試合(笑)。あちこちで語られてるので今さら言うこともないですが最後のキックはホント微妙ですね。ペッタリ両手両足が着いてるわけじゃないので四点ポジションの反則にはならないとは思うんですが・・・うーん難しい。秋山側が提訴しても判定は覆す必要ないと思いますが、再戦はやむを得ないのかも。向こうさん(韓国)でやったら完全アウエーだし三崎不利だろうなあ。
あと三崎のマイク、最初に「俺はお前を許さない」と言ってしまったら後の論旨に合わなくなるだろうと(笑)。頭の悪い高校生の作文みてえだなと思ってしまいました(苦笑)。「日本人は強いんです」はやっぱ余計だなあ。ああ一々添削してえ(^^;)。



第6試合 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
エメリヤーエンコ・ヒョードル(ロシア/レッドデビル/PRIDEヘビー級王者/106.5kg)
×チェ・ホンマン(韓国/フリー/165.0kg)
1R 1'54" 腕ひしぎ十字固め


フイニッシュの「下からの腕十字」を当てたことあちこちで自慢しまくってますが(笑)、まあ相手がK−1フアイターで韓国相撲の王者でもあるところから打撃&無理なテイクダウンは避けようというのは当然思ってたでしょうね。ヒョードルの凄いとこはこれほどの人でありながら常に相手への研究を怠らず、研鑽を積んでるってとこじゃないでしょうか。まあだからこそこれほどの人になったということでもありますが。すでに史上最強の候補にもなれるかというほどの領域。これに勝つにはもう100年前にタイムスリップしてフランク・ゴッチとかジョージ・ハッケンシュミットとか連れてくるしかないでしょう(笑)。
ホンマンは今年は軍に入るそうですが、入隊前に世界最強の男と戦っておきたいと考えてオフアー受けたならなかなか見上げた心がけ。「あっぱれ!」(親分&張さん)ですよ(^^)。



第7試合 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
桜井“マッハ”速人(マッハ道場/76.0kg)
×長谷川秀彦SKアブソリュート/DEEPウェルター級(76kg)王者/76.0kg)
判定3-0 (大橋=桜井/三宅=桜井/小林=桜井)

なーんも語ること無し(笑)。まさに塩試合の典型。マッハは上になるんだけどかつての決定力がなく、長谷川は長谷川でスイープすること出来ずラバーガードから後の展開も作ること出来ないんだからどうしようもない。この試合だけはない方が良かった。こんな試合ばっかだったらホント総合はさびれて行きますよ、煽りVのごとく(苦笑)。



第8試合 1R10分・2R5分(インターバル90秒)
青木真也パラエストラ東京/修斗ミドル級(76kg)世界王者/69.7kg)
×チョン・ブギョン(韓国/チーム・ユン・ドンシク/69.8kg)
判定3-0 (大橋=青木/ヒューム=青木/足立=青木)


なんでこの試合がもっと語られないのか。はっきり言って戦慄したよチョン・ブギョン。それこそ91年12月リングス有明ヴォルク・ハン登場を思わせる衝撃だ(苦笑)。
これで直前オファーなのですからね。2、3ヶ月前にオファー受けてたら、1ラウンドの腕十字2発のどちらかで青木極められていたのでは? 青木の油断もあったかもしれないが、それだけではないと思うなあ。
途中、ブギョンの目の負傷が無かったら、2ラウンドもああ簡単に青木はマウントとれなかったかも? 全く恐るべき選手ですよ。
さらにいえば解説席のTK高阪は「鍛えて出来たものではなく、もともと持って生まれたもの」と言ってたけど、果たしてそうだろうか? 世界のTKに僕ごときが異論を唱えるのは誠におこがましいのだけど、韓国の総合がもう「いきなりオファー受けても青木レベルと戦い得る選手を育てられるレベル」に到達しつつあると思った方がいいのでは? 
五味がニック・ディアスにフット・チョークで敗れたように、アメリカも韓国も物凄い勢いで総合の技術を向上させつつある。果たして日本はどうか? 「体格では負けるが、技術では日本は総合先進国」みたいな顔してるととんでもない遅れをとっていくのではないか。
大連立で浮かれたり(まあ僕もだけど・苦笑)、反則騒動にかまけてばかりいると、エライことになりますぜ。とても「日本人は強いんです!」なんていっていられないよ。
もっと語れよチョン・ブギョンを、そして韓国を、世界を。
そんな気持ちにさせられるメインでした。



まずはこんなところで。
妄言多謝です、ではではまた。