もっと早く読んでおきたかった本。

下のと随分雰囲気が違うんですが(苦笑)。



浅田次郎の短編集「五郎治殿御始末」。

いや正直感動しました。

舞台を明治初期に置くことにより(武士を捨てねばならなかった人々の姿を描くことにより)結果的に武士道というものの本質を描くことに成功している。そんな気がします。



特に桜田門外の変・後日談ともいうべき「柘榴坂の仇討」が良かった。さらには作者が武士道について語るラスト見開き2ページが感涙もの。全国民にコピーして配布したい(笑)。

武家ものといえば、人斬り包丁振り回してチャンチャンバラバラやるものだと思われがちなのだが、真の士魂とはそうしたものではなく、他を益するために自らを殺していく自己抑制・自律自尊の理念こそが武士道・士魂なのだと改めて思い知らされました。



発刊された2003年のうちに読んでおくべきだったと少々後悔しています(^^;。