春樹さんの非恋愛的体質について
ども、ふるきちです。
なんか変なタイトルだなあと思った方、お許しを(^^;)。他に上手く思いつかなかったもので。
さて、silvy氏が振ってくれた春樹さんのスタイリッシュさ、もしくは恋愛に対する葛藤のなさ、についてですが、僕はもともと春樹さんって人は本質的に恋愛小説が書けない人ではないかと思ってます。
春樹さんが描いてきたのは「この混乱した世界においていかに自律した(自立、でなく)人間として生き得るか」であって、他者を絶えず求める恋愛とは別個のものではないかと思うのですよ。
それはあの人がそもそも恋愛への渇望であるとかそれに伴う嫉妬とかの感情とはかなり無縁な性格に生まれついたからかもしれないし、あるいは人生の早い時期に陽子夫人という伴侶を得てしまったからかも知れない(笑)。
さらには前のコメントでも書いたけど、あの人が求める理想の女性像ってのは「かつての自分のピュアな部分を呼び戻してくれる女性」であったりするわけで。
そう考えてみると、「ノルウェイ」にしたって、
「かつての自分のピュアな部分を呼び起こしてくれる女性を追い求める半面、現実の魅力に富んだ女性にも惹かれ、最後には前者が亡くなったその喪失感を抱きながらも後者にその救いを求めようとするが、自分の立ち位置を改めて指摘されて終わる」
という身も蓋もない分析だって出来るわけです(爆・^^;;;)
言ってみれば「あなたが抱いてるのは愛情じゃなくてナルシシズムじゃないの?」と現実の女性に指摘されてしまうラストであるわけで、これは「ノルウェイ」だろうがsilvy氏とミヤさん両氏がともにお好きな「国境の南」だろうが同じ裏テーマだったりする。
我々は時に異性からそう指摘されながら、それでもその責めを背負って生きていかねばならない。
そのようなテーマが春樹さんのいわゆる「恋愛小説」と言われてるものには込められてるような気がするんですよね。
silvy氏、ミヤさん、そして外部の方々のご意見もまたお聞かせいただければ幸いです。ではでは(^^)。