新刊購入!

ランゲルハンス島の橋

ミヤ(仮名)です。田舎の書店は入荷が遅いのである。

春樹氏の新刊 「東京奇譚集」 は首都圏より一日遅れ、地元の書店にやってきた。
その上、荷解きすらされていなかった。
とびっきりの笑顔で、取り出してもらう。迷わずレジに直行。大切な初版本だ。当然カバーもたのむ。

連休の楽しみに、と一日寝かせて読み始める。私はこの時のために この半年、新潮誌を一切読まずにきたのだ!
ちなみに寝かせている間は何をしているのか? 手に取りニヤニヤするのみなのか?
否!
装丁、表紙、中表紙、裏表紙などを見て楽しみ、想像力を働かせ、明日に期待を向けるのだ
しかし、ふと気づいた。発行日が2005年9月18日なのである。

ふむ・・・

通常は慣習として五・十日ないし、月初・月末に合わせるもの。しかしねじまき鳥クロニクルを始め、いくつかの作品にはこんなことがしてある。
それにこの記載って(書店で最後のページを見てくださいね)意味があるのか??
難しいことは、考えこねくり回すのが好きなライター諸氏にお任せしたい。
内容は面白かったです、はい。
同氏の紡ぎだす短編小説は心地よい空気を読者に運んでくる。内容が恐怖、不快感を伴ったものであったとしても、読み終わると私の中で、消化吸収されてしまうようである。
まるで、苦い! といいつつ癖になってしまう秋刀魚のはらわたである。

ただ、この小説で唯一納得できなかったこと、それは、
作品、ないしエッセイでこれはフィクションではない、と前置きをして話すことは本当だ
というくだりである。
これを読むと 回転木馬のデッドヒート みたいに、後で 嘘だった というのだろう、と訝ってしまうのである。またエッセイでは 自身のジョークの感覚は周囲とずれているようだ とも告白しているのだ。

やれやれ・・・

でも、好きだけど(笑)。