僕が望んでいた結末&和解。

不治の病に倒れた海原雄山、入院を拒否し、自宅で死を待つばかりの病床に伏せっている。
そこを訪れる山岡&ゆう子。


雄山「(身を起こし)弱々しく笑いながら)ふ、最後まで見下げた奴だ。もっとも憎んでいる男が病み衰えているのをあざ笑いにくるとは・・・」
山岡「黙ってこれを食えッ!!」


山岡が突き出した料理を見て、目を剝き怒りをあらわにする雄山。


雄山「士郎、きさま・・・私にこれを食えというのかッ!!」
山岡「おまえは最後にこれを食わなきゃいけないんだ・・・母さんが最後に食べたこれをッ!!」
ゆう子「お義父さま、お願いです。士郎さんはこの三日徹夜してこの料理を仕上げたんです!!」
雄山「うぬぬ・・・」


いら立ちながらも、その料理に口をつける雄山。やがて驚愕と感嘆の表情に変わっていく。
ゆっくりと、しかし確かな箸どりで食べていく雄山。その様子を見ながらゆう子の目に涙が浮かぶ。
やがて食べ終わった雄山、山岡に向き直り、


雄山「ふ、最後まで私に追いつけぬ奴だわ、おまえは・・・」
山岡「なにィッ!!」
雄山「私は妻が・・・おまえの母親が死の床についてる間、毎日この料理を作って妻の枕元に置いたものだ・・・私の料理の中で、もっとも妻が喜んでくれたものだったからな・・・妻は弱った食欲を懸命に振り起こしてこの料理を食べてくれた・・・そして、妻が死んでから、私はこの料理を封印し、二度と作ることはなかった・・・」
山岡「・・・・(涙を必死にこらえる)」
雄山「たとえ三日かかったとはいえ、この料理を完全に再現し、当時の私と同等、いやそれ以上の味を仕上げた・・・」


涙目で、はっと顔を起こす山岡。
その山岡を直視する雄山。


雄山「士郎、おまえはやはり私の息子だ!!」
山岡「・・・父さんッ!!!」


雄山に抱きつく山岡。
それを泣きながら見つめるゆう子。






・・・・・とまあ、このぐらい劇的な和解&結末にしてほしかったなあ、「美味しんぼ」。
こんな中途半端な和解じゃなくてさ(^^;;;)。