「1973年のピンボール」と1980年サブカルチャー

ども、ふるきちです。
先月から始めたこのブログ、今回は久々に当初の企画通り、春樹さんのデビュー第2作「1973年のピンボール」とその発表年1980年のサブカルチャーについて書きたいと思います。

さて「ピンボール」ですが、デビュー作「風の歌を聴け」と初期の大作「羊をめぐる冒険」の間に挟まれて、今ひとつ印象が薄いことは否めません。
しかし読まれた方なら分かると思いますが、この作品にはそれこそ日曜の午後にふと開きたくなるようなある種エヴァーグリーンな魅力があるのですね。正直まったく大きな事件は起こらないのですが(苦笑)、いやだからこそ筋とは関係なくどこれもいいから開いて、そこから作品世界にはまりたくなってしまう、ある意味これこそ初期村上!!と言える魅力こそがこの本の真骨頂と言えるでしょう。

そしてこの本についてちょっと触れておきたいのが、あの「ノルウェイの森」の一方のヒロイン「直子」の名が出てくるのですね。いやもちろん同一人物とは言及されていないのですが、この作品が語られている1973年の時点では亡くなってしまっていること、そしてその内省的な性格など符合する点が見られることが気になります。
そして何と言ってもこの作品で重要なポイントとなるビートルズのアルバム「ラバーソウル」、この中には−−−もちろんビートルズフアンなら誰でも気がついているでしょうが−−−「ノルウェイの森」原曲が収録されているのです!!!
ノルウェイ」ブームからさかのぼること7年、春樹さんがこの作品に込めた何か、をもっと我々が考えてみるべきなのかも知れません。あるいはまだ気づかれない秘密が隠されているのかも。


さて「ピンボール」が発表された1980年は、金属バットによる尊属殺人事件、竹の子族の跳梁(笑)、春樹さんも好きなウオークマンによるヘッドホン族の出現、山口百恵引退、ポールマッカートニー大麻持ち込み事件、そして何より12月8日のジョン・レノン暗殺事件が起こった年であります。ジョンの死はショックだったなあ、あの時のジョンと今は同い年だけど(泣笑)。
またYMOが伊武雅刀小林克也らのギャグユニット「スネークマンショー」と組んだアルバム「増殖」を発表。先述のポール大麻事件などもおちょくり笑わせてくれました。
また映画ではダステイン・ホフマン主演の「クレイマー・クレイマー」やフランシス・フオード・コッポラ監督の「地獄の黙示録」がヒット。コッポラは春樹さんも大好きな60年代のカルト・バンド「ドアーズ」のリーダーであったジム・モリソンと大学で同級生だった人。
ドアーズとジム・モリソンについてもまたいずれ。




村上モトクラシにおいて、春樹さんの最終メッセージとともに大変重要な質問が出てました。
http://d.hatena.ne.jp/motokurashi/20050930
うーん、自分としては答えは明白なんですが・・・いざ送るとなるとちょっとやはり迷いますね。でも送るけど。
ではではまた(^^)。